時計製造における装飾技法

時計における装飾は、仕上げとは異なります。仕上げとは、研磨やサテン仕上げなどによって部品をより完璧に、より美しく整えること。一方、装飾は彫刻やギヨシェ彫り、ペルラージュなどによって部品に意匠を施すものです。
つまり、機能性よりも装飾性や美観、芸術的な選択に関わるものです。時計に風格を与え、個性を際立たせ、他との差別化を図ります。もちろん、装飾は過剰になれば時計があまりに華美になってしまうため、節度をもって施す必要があります。
時計における彫刻

彫刻とは、モチーフを描いた図柄だけでなく、数字や文字も指します。
彫刻に限界はなく、高級時計のムーブメントやブリッジ、ローター、ケース、ボタンなどを彩ります。
彫刻の技法
技法は数多く、最も手仕事に近いものから、驚くほどの精度を誇るレーザー加工による最新技術までさまざまです。
それでも私は、手仕事による彫刻の魅力と、そこに残るわずかな不均一さに、人の手の存在を感じられる点を好みます。例えば、タガネで素材を削り取る凹彫りなどがその一例です。
ペルラージュ

連続する円によって構成される模様です。主に地板やブリッジに見られます。
肉抜き

肉抜きとは、開口部を設けてムーブメントを見せる加工です。したがって、スケルトンウォッチには肉抜きが施されています。ムーブメントに特筆すべき点がない時計の文字盤に施すのは避けるべきでしょう。クォーツムーブメントを搭載した時計に行えば、滑稽に見えてしまいます。
シゼル加工

これは凹彫りとは逆の技法です。職人、あるいは機械が、周囲を削り込むことで造形に立体感を与えます。
サンレイ仕上げ
その名のとおり、中心から放射状に伸びる線によって太陽を思わせる表情を生み出す装飾です。ムーブメントの部品に施されます。文字盤でよく見られるサンレイブラッシュ仕上げとは混同しないようにしましょう。
ジュネーブストライプ


この装飾模様は、主にローターやブリッジに施されます。個人的には、この装飾が大好きです。
ギヨシェ彫り
素材を削りながら線や曲線を刻む、非常に古い技法です。以前、ジュネーブのBreguetでギヨシェ彫り用の古い機械を使って作業する機会がありましたが、それは魔法のような体験でした。こちらがその機械です。








