MB&F Legacy Machine LM Perpetual

2015年11月3日火曜日、スイスの報道関係者は、才能豊かな Maximilian Büsser とそのチーム、MB&Fが創設したジュネーブのキネティックアート・ギャラリー、M.A.D.Gallery de Genèveに招かれた。
MB&Fからの招待は、いつも心躍る。新たなマシンのお披露目に立ち会えるという約束だからだ。
今回は、ブランドのコミュニケーション担当者であるCharris Yadigaroglouが、新作Legacy Machineを紹介する。Legacy Machinesのコンセプトは、「MB&Fが100年前に時計を設計していたら、どんな時計になっていただろう?」という想像に基づいている。
今回披露された新作Legacy Machineの名は「Perpetual」。何よりもまず、これは人とFriends(Maximilian Büsser & Friendsの頭文字を取ったMB&F)をめぐる物語である。

この作品のキーパーソンは、MB&Fの中核メンバー以外では、ひとりの物静かな男性だ。彼はギャラリーの隅で、私たちの背後に立っている。その人物こそStephen McDonnellである。
このアイルランド人時計師は、ブランド初の時計が発表される数カ月前、その誕生において非常に重要な役割を果たした。ムーブメント開発を担当していた工房に見放されたMB&Fは、Stephen McDonnellが開発を引き継がなければ、存続できなかったかもしれない。その後、ブランドは誰もが知る成功を収めることになる。
Legacy Machine LM Perpetualは、4作目のLegacy Machineにパーペチュアルカレンダーを搭載したいというMB&Fの願いと、McDonnellによる革新的なコンセプトから生まれた。4年にわたる研究開発の末、581個の部品からなるムーブメントによって、MB&Fはパーペチュアルカレンダーを技術面でも美観面でも再発明したのである。
パーペチュアルカレンダーは、伝統的なグランド・コンプリケーションだ。月ごとに異なる日数(うるう年を含む)にもかかわらず、日付を表示できる。ただし、調整やアフターサービスの面で制約がないわけではない。
QP(クワンティエーム・パーペチュアル)は、ユーザーが不適切なタイミングで修正操作を行ったことによる故障のため、ブランドのサービスセンターを定期的に行き来することが多い。そのため、「ブーメラン・ウォッチ」と呼ばれることもある。MB&Fは、このグランド・コンプリケーションにつきものの問題から解放されたパーペチュアルカレンダーを提案することを目指した。
パーペチュアルカレンダーを再発明する
すべてのパーペチュアルカレンダーがそうするように31日ある月を基準にするのではなく、McDonnellは、すべての月には少なくとも28日あるという原則から出発した。つまり、問題を逆転させたのである。
従来、2月28日になると、ムーブメントは29日、30日、31日を素早く飛ばして3月1日へ進まなければならない。
時計師が考案したシステムでは、計算装置(「メカニカル・プロセッサー」)が28日を基準とし、28日を超える月に必要な日付を追加する。これにより、しばしば問題を引き起こし、McDonnellとBüsserの完璧主義にもそぐわない余分な日付を素早く飛ばすことなく、正確な日付を得られる。
うるう年の補正は独立して行うことができ、7時位置のプッシュボタンを使う。従来のパーペチュアルカレンダーのように47カ月分を早送りする必要はない。
日付が切り替わる際には、安全機構が補正用プッシュボタンを切り離す。そのため、リスクなく各補正を操作できる。
以下で日付が切り替わる様子をご覧いただきたい。
「文字盤」
この革新的なメカニカル・プロセッサーは日付計算を改善するだけでなく、クラシックなパーペチュアルカレンダーで使われる大きなレバー機構を不要にするという贅沢ももたらした。空いたスペースを活用して、MB&Fは不可欠な吊り下げ式テンプを追加し、サブダイヤルを見えない形で固定することができたのである。
テンプは時刻表示の文字盤と、コンプリケーションの上に浮かぶサブダイヤルを見下ろしている。メカニカル・プロセッサーは中央よりやや左に位置する。
時刻は12時位置、曜日は3時位置、月は6時位置、日付は9時位置に表示される。
パワーリザーブ表示は4時位置、うるう年表示は7時位置に配されている。
脱進機はケースバック側に収められ、世界最長ともいうべきピニオンによって、浮遊するテンプとつながっている。
シースルーケースバックからは、美しいブリッジや地板、そしてコート・ド・ジュネーブが鑑賞できる。
着用感
浮遊するテンプのためにドーム型風防が必要となるにもかかわらず、時計は驚くほど薄い。テンプが刻むリズムは魅惑的で、着け心地もこの上なく快適だ。
44mmのケース径は、絶妙なバランスである。
シリーズと価格
ローンチエディションは、18K 5N+ローズゴールド(「+」は腐食を防ぐプラチナの添加を意味する)25本と、950プラチナ25本に限定される。
価格は税別130,000ユーロから。
次なる展開は?
この件について尋ねた際のMcDonnellの意味ありげな笑みを見る限り、メカニカル・プロセッサーの技術的偉業が、ほかのコンプリケーションにも応用可能であることは間違いない。実際、MB&Fはこの新技術を保護するため、特許を出願している。
MB&Fにとって、またひとつ見事な成功である。











