Audemars Piguet Royal Oak Concept GMT Tourbillon

紙面上では、新作 Audemars Piguet Royal Oak Concept GMT Tourbillon に、私は好感を抱いていませんでした。ところが、実際にこの時計を目の前にすると、意見はすっかり変わったのです。長靴をはいた猫のように、時計は私に「一度、チャンスをくれないか……」とささやいているようでした。
Audemars Piguetのブースにいたひとりの時計師が、私にこのモデルを紹介してくれました。まず心を奪われたのはムーブメントです。 SIHH Audemars Piguet 2930キャリバーは、9時位置のトゥールビヨンブリッジと3時位置のGMT表示の間に美しい対称性を描き、その中央には、サテン仕上げと手作業によるポリッシュ仕上げを施したホワイトセラミック製の上部ブリッジが配されています。
手巻き式ムーブメントは、トゥールビヨンとツインバレルを備え、10日間のパワーリザーブを実現しています。85個の部品で構成されるトゥールビヨンケージは トゥールビヨン わずか0.45gでありながら、時計師の作業には3日を要します。
3時位置に配されたGMT機能は、12時間表示で読み取ります。昼夜は、ブラックとホワイトの2枚のディスクで表示されます。
44mmケースのチタニウム製ミドルケースが、ホワイトラバーストラップ、ベゼル、ボタン、そしてホワイトセラミック製の上部ブリッジを調和の取れた形でつないでいます。ちなみに、APチームのメンバーの話によれば、使用されているセラミックは、ラッキーナンバーから1を引いた数字に、ひとつの文字を組み合わせた名前を持つ時計に見られるものより、はるかに高品質だそうです(もうお分かりですか?)。
セラミックはスティールの9倍の硬度を持ち、ほとんど傷がつきません。加工にはダイヤモンドディスクが必要です。ベゼルだけで8時間の作業を要するのに対し、スティール製ベゼルなら必要なのはわずか45分です。
2011年版との違いはごくわずかで、驚くほどではないと言う人もいるでしょう。しかし、ときにはひとつのディテールが時計を一変させます。ここでは、ベゼルだけでなく上部ブリッジにも採用されたホワイトセラミックがその役割を果たしています。
6時位置のリューズポジションインジケーターは、巻真の現在位置(H、N、R)を表示します。Hは時刻調整(Heure)、Nはニュートラル(Neutre)、Rは巻き上げ(Remontage)を意味します。








